アドバンス講座「― アクション・リフレクション・ラーニングを紐解く ― 実践者がもう一歩深く踏み込むための、知と感覚の冒険へ」
私たちが実践しているWIALモデルのアクションラーニングは、実践を通じた学習と、問いによる気づきを重視する「経験派」の流れに属しています。
このモデルは、課題解決と学習を同時に進めること、全員が課題保持者であること、ALコーチの存在による問いの促進など、特有の哲学と構造をもっています。
本講座では、アクションラーニングの多様な展開のひとつである「アクション・リフレクション・ラーニング(ARL)」に焦点を当てることで、自らの実践の源流を歴史的に振り返りながら、現在の立ち位置と実践の意味を再確認します。
ARLは、同じくレバンスの思想に端を発しながらも、J. Mezirowの変容学習理論を背景に、問いかけを通じた「前提の問い直し」や「深い自己理解」を促す学習アプローチです。
WIALで培った問いの技術やALセッションの経験を持つ方にとって、ARLはその理解をもう一段深く耕すきっかけとなります。
開催日程 | 2025年6月28日(土)9:30〜12:00 |
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会場 | 渋谷QWS(SHIBUYA SCRAMBLE SQUARE 15階) |
参加特典 | セッション後、ランチを囲んだリフレクション懇親会あり(自由参加) |
費用 | AS会員:5,500円(税込) 非会員:11,000円(税込) |
講師紹介

米国・コロンビア大学教育大学院ティーチャーズカレッジにて 博士号(教育学)取得。
大学で教鞭を取りながら、ビジネスパーソンにコーチングも実施。学生も社会人に対しても思考の枠を広げ視点を広げる支援をしている。
講師メッセージ
私がアクション・リフレクション・ラーニング(ARL)と出会ったのは、米国での研究と実践を通じてでした。
Jack Mezirowが提唱する変容学習は、自分たちが物事を認識・判断する際の視点や軸にしているFrame of Reference(思考の枠)に対して疑問視し、新たな視点が広がることで考え方や行動が変わるというものです。
WIALで実践されているアクションラーニングのような特定の構造を持たず、チームメンバーからの「問い」で自分のブラインドスポットを発見することで、深い意識・行動変容を促すプロセスです。
この講座では、理論を「知る」だけでなく、実際にARLセッションを「体験」し、問いかけることで他者を支援することの奥行きを再発見していただけるよう構成しています。
特にWIALモデルでファシリテーターやALコーチを務めてこられた方にとって、ARLは、ご自身の実践に“深さ”と“静けさ”という新たなレイヤーをもたらすはずです。
この貴重な対話と体験の場を、皆さんとご一緒できることを楽しみにしています。
小林美恵子さんから学べるということ
今回の講師、小林美恵子さんは、ARLを本格的に学び実践してきた日本でも希少な存在です。
米国コロンビア大学ティーチャーズカレッジで博士号を取得し、ARLのアプローチを理論と実践の両面から修め、かつWIALアプローチも実践される両方のアプローチに詳しい専門家です。
WIALモデルに立脚する私たちが、異なるアプローチに触れ、自らの実践の枠組みを拡張する機会として、これほど最適な機会はありません。
単なる知識の習得ではなく、体験と対話を通じて、自らのAL観を再構築する貴重なセッションとなるでしょう。
プログラム構成(予定)
- イントロダクション(30分)
ARLの理論とエッセンス、WIALとの共通点と違いを紹介 - ALセッション(60分)
「問い」と「前提」に深く向き合うセッション - Fly on the wall(60分)
ARLアプローチ:観察しながら、問いの質・関係性のダイナミクスを可視化 - 振り返り&まとめ(30分)
自分の実践へのブリッジを探る内省と共有
このような方におすすめ
- WIAL認定ALコーチおよび実践者で、次の進化を求める方
- 学びの“深さ”や“意識変容”に関心のある方
- ALの問いの力を、もう一段上のレベルで鍛えたい方
- 異なる視点から、自らのAL、ALコーチ観を見直してみたい方
期待される変化
- ARLの視座から、ALにおける「問い」の構造と役割を再発見
- AL実践の文脈に、意識変容という軸を加える新たな視野
- 他者を通して自分を見つめ、ALコーチとしての「立ち位置」が深まる
モデレーター

代表理事 株式会社ラーニングデザインセンター代表
大学卒業後、(株)毎日コミュニケーションズにて事業企画や人事調査等に携わる。数々の新規プロジェクトに従事後、渡米。米国の首都ワシントンDCに位置するジョージワシントン大学大学院マイケル・J・マーコード教授の指導の下、日本組織へのアクションラーニング(AL)導入についての調査や研究を重ねる。外資系金融機関の人事責任者を経て、(株)ラーニングデザインセンターを設立。2006年にNPO法人日本アクションラーニング協会を設立し、国内唯一となるALコーチ養成講座を開始。600名強(2019年1月現在)のALコーチを国内に輩出している。また、主に管理職研修、リーダーシップ開発研修として国内大手企業に導入を行い企業内人材育成を支援。アクションラーニングの理解促進、普及活動を展開中。
東京女子大学文理学部心理学科卒、ジョージワシントン大学大学院人材開発学修士(MAinHRD)取得。マスターアクションラーニングコーチ(MALC)
主催:日本アクションラーニング協会(WIAL Japan)
運営:株式会社ラーニングデザインセンター