FAQ
PMO・プロジェクトマネージャーの方へ
PMO・プロジェクトマネージャーとして活躍されている方へ
アクションラーニングが「複雑な問題に強いチームをつくる手法」に選ばれる理由
「プロジェクトは完了したのに、チームが同じ失敗を繰り返す」「複雑な問題になると、チームが動けなくなる」「振り返りはしているのに、次に活かされない」——そう感じたことはありませんか?
このページでは、PMO・プロジェクトマネージャーがアクションラーニングを選ぶ理由を、よくある質問形式でご説明します。
- プロセスは整っているのにチームが自律的に動かない
- レトロスペクティブが形骸化していると感じる
- 複雑な問題に強いチームを育てたい
よくある質問
アクションラーニング(Action Learning)は、現実の職場課題に取り組む小グループが、「問い」を通じて学び合うグループ学習の手法です。1940年代に英国の物理学者レグ・レバンスが開発し、その薫陶を受けたWIAL創設者マイケル・マーコードがALコーチ養成の体系的プログラムを確立しました。「問題を解くこと」と「学ぶこと」を同時に実現し、チームと個人のリーダーシップを育成する点が最大の特徴です。また「学習する組織」のディシプリンのひとつである「チーム学習」の実践手法としても位置づけられています。
PMOやプロジェクトマネージャーが扱う問題の多くは、「正解がない複雑な問題」です。スケジュール・コスト・品質の管理はプロセスで対応できますが、ステークホルダーの対立・組織横断の調整・想定外のリスクへの対処は、プロセスだけでは解けません。実は、PMBOK第7版はプロジェクトマネージャーに求められるコミュニケーションとして「インタラクティブ・コミュニケーション(対話)」を最も重要と位置づけています。一方的な情報発信ではなく、問いと応答の双方向の対話を通じてステークホルダーをエンゲージする力です。アクションラーニングはまさにこの「対話を通じて複雑な問題を解きほぐす力」を実践的に鍛える手法です。問題解決のたびにチームの対話力と学習能力が高まるため、次のプロジェクトでチームはより自律的に複雑な問題に対処できるようになります。
レトロスペクティブは「プロジェクトやスプリント(反復開発の一区切り)の終わりに何がうまくいったか・いかなかったかを振り返る」場です。一方アクションラーニングは、現実の問題に取り組みながらリアルタイムで学ぶ仕組みです。レトロスペクティブが「終わった後に振り返る」のに対し、アクションラーニングは「取り組んでいる最中に問い直す」点が異なります。また、レトロスペクティブは改善点の洗い出しで終わりがちですが、アクションラーニングでは「なぜ同じ問題が繰り返されるのか」という前提や思い込みの深い層まで問い直します。両者は相互補完的であり、アクションラーニングを継続することでレトロスペクティブの質も高まります。
スクラムマスターは「チームがスクラムフレームワークを正しく機能させることを支援し、障害を取り除く役割」です。ALコーチは「チームが現実の問題に取り組みながら学ぶことを、問いを通じて支援する役割」です。両者に共通するのは「答えを持ち込まず、チームの自律を促す」という思想です。スクラムマスターが「プロセスの番人」であるとすれば、ALコーチは「学習の番人」とも言えます。アジャイル開発でスクラムマスターを担っている方がALコーチを学ぶと、チームのスプリントレビューや振り返りの場に「学習を深める問い」を組み込む力が身につきます。スクラムの「検査と適応(Inspect & Adapt)」のサイクルを、より深い学習につなげる実践者になれます。
アジャイル開発が目指す「自己組織化チーム」とは、メンバーが自ら判断し、協力して問題を解くチームです。しかし、自己組織化は宣言するだけでは実現しません。チームが「自分たちで考え、動き、振り返る」経験を繰り返すことで、初めて根づきます。アクションラーニングはその経験を意図的に設計する手法です。現実の問題に取り組みながら、問いを通じて思考を深め、行動を振り返るサイクルを重ねることで、自己組織化チームが機能するための「学習する習慣」がチームに育まれます。
PMBOKなどのフレームワークは「既知の問題パターンに対して、体系的なプロセスで対処する」ための知識体系です。定義された手順に従うことで、一定水準の成果を安定的に出せます。一方アクションラーニングは、「前例のない複雑な問題、正解が見えない状況」でチームが自ら考えて動くための学習の仕組みです。フレームワークが「既知の答えを効率よく適用する力」を高めるとすれば、アクションラーニングは「未知の問題に対して問いを立て、答えを創り出す力」を育てます。両者は競合せず、PMとしての引き出しを補完し合う関係です。
「プロセスや手法は整っているのに、チームが自律的に動かない」「複雑な問題になるとチームが思考停止する」と感じているPMに特に向いています。また、アジャイル開発を推進しているが「スクラムのセレモニーはできているのに、チームが本当に学習していない」と感じているスクラムマスター・アジャイルコーチにも多く選ばれています。組織横断のプロジェクトで多様なステークホルダーを巻き込みながら成果を出す必要がある方にも、アクションラーニングのアプローチは有効です。
「問題を管理するPM」から「チームが問題を解く力を育てるPM」への変化が起きます。ALコーチの実践を重ねることで、問題が起きたときにすぐ解決策を指示するのではなく、「チームはこの問題をどう見ているか」「何が本当の問題か」を問いかけ、チーム自身が答えを見つけるプロセスを設計できるようになります。また、スクラムのレトロスペクティブや振り返りの場にアクションラーニングの問いを組み込むことで、「形式的な振り返り」が「チームの学習資産になる振り返り」へと変わります。プロジェクトが終わるたびに、チームの問題解決能力が高まっていく状態をつくれるのが、ALコーチを学んだPMの最大の強みです。
まずは2日間の「アクションラーニング基礎講座(PSD)」で実際のセッションを体験することをお勧めします。その後、ALコーチ養成講座(ALC)でチームの学習を促進する実践力を身につけることで、プロジェクトの振り返りやチームマネジメントにアクションラーニングを組み込めるようになります。日本での提供機関は、NPO法人日本アクションラーニング協会(WIAL Japan)のみです。
レトロスペクティブ・PMBOK・アクションラーニングの違い
| 観点 | レトロスペクティブ | PMBOKフレームワーク | アクションラーニング |
|---|---|---|---|
| タイミング | スプリント・プロジェクト終了後 | プロセス進行中(継続的) | 問題が起きているリアルタイム中 |
| 対象となる問題 | 終わったことの振り返り | 既知のリスク・課題への対処 | 未知の複雑な問題・正解のない状況 |
| 問いの深さ | 何がうまくいったか・いかなかったか | プロセス上のどのリスクか | なぜ同じ問題が繰り返されるのか(前提の問い直し) |
| チームの学習 | 改善点の洗い出しで終わりがち | プロセス遵守が中心 | 問題解決と同時にチームの学習能力が高まる |
| スクラムとの関係 | スクラムのセレモニーのひとつ | スクラムと並立 | スクラムの「検査と適応」サイクルを深化させる |
アクションラーニングを学ぶ
「問題を管理するPM」から「チームが問題を解く力を育てるPM」へ。
まずは2日間の基礎講座(PSD)から、アクションラーニングの世界を体験できます。

