「最新の脳医科学による脳スタイルテストと能力開発」
普段よく使っている脳の領域が、人間の個性・人格に大きな影響があることをご存知でしょうか。脳の特徴によって自身の長所、強みを理解し、それを伸ばしていく。そのためには自分の脳がどのようなタイプであるかを知ることが必要となります。
『脳スタイルテスト』は、脳医科学に基づき、本田氏が都立駒込病院脳神経外科部長 篠浦伸禎医師とともに提唱したテストで、脳を領域別の機能に即してタイプ分けしています。
篠原氏は、脳腫瘍治療で高い評価を得る覚醒下手術(患者の意識がある状態で行う手術)でトップクラスの実績をもつ医師です。
覚醒下手術を行う時、篠原氏は患者の脳に触るのですが、その際、右脳を触った場合、患者は眠くなり(逃避)、左脳を触った場合は不機嫌になる(攻撃)傾向があることに気がつきました。
そしてこのことをきっかけに、ストレスを受けた際、脳は領域別に役割が異なることを発見したのです。それを臨床によって確認したのが本田氏です。
『脳スタイルテスト』にはいくつかの特徴がありますが、今回の講座では本田氏が受講 者に合わせ、3つの特徴を紹介しました。
まず1つ目が「脳の『強み』を数値化できること」です。「強み」とは、よく使う脳の領域のことを指します。
脳スタイルでは、脳の領域を大きく4つに大別します。「右脳」「左脳」「大脳」「小脳」です。「右脳」は想像力、発想力、直観力などの「感性」を、「左脳」は読み書きなどの言語理解や、データによる客観的な判断といった「理論」に関係します。
また、「小脳」は2次元、「大脳」は3次元に関係し、これらのどの部分の血流が良いかによって、その人の「強み」が分かります。
例えば、左 脳・3次元型の場合は、知識を統合してよりよい考え方を導き出すことが 得意な合理的な人であることが 多く、経営などに向いていますし、右脳・2次元型の場合は、感情、視覚的な記憶に優れた情に厚い人で、人事・総務系の仕事が得意な場合多いです。
テストの結果では「左脳・3次元」「左脳・2次元」「右脳・3次元」「右脳・2次元」それぞれの強さが点数で示され、4つの点数の合計は 100 点になります。
その点数のバランスによって、自分が右脳優位なのか、バランス型なのかといった特徴を数値によって把握できます。
また同時に、脳の「質」も数値化することが可能で、ストレス耐性や感情のブレ幅の強弱、モチベーションの強弱も数値化して示されます。
2つ目の特徴が「脳の『使い方』を数値化できること」です。先述のとおり、脳スタイルテストで強みは把握できますが、その強みを発揮できるかどうかは、脳の使い方次第です。自分の得意脳を理解し、その活かし方・伸ばし方、その妨げとなっている物事が推測できる結果、優先すべき対策や改善を行うことが可能になります。
事例として、脳スタイルテストを受講した被験者が、本田氏の下で1年半研修を受けた結果、ストレス耐性が 35 点から 94点まで高まったこと、同時に仕事に対する意欲が改善された例が紹介され、脳の使い方を改善することの効能が示されました。
今回の講座では、本田氏の厚意により受講者全員が実際に脳スタイル診断テストを受講しました。
結果を手にした受講者たちは、自分の脳の特徴について本田氏に尋ねる、周囲の人と結果を比較しつつ意見を交わす、本田氏の著書の中で紹介されている脳の使い方を改善する方法について目を通すなど、脳スタイルテストに対する関心の高さが伺えました。
そして3つ目の特徴が「誰でも理解し、実践できること」です。結果が数値化されることによって、脳スタイルテストでは、自分、そして相手の強みを客観的に把 握できます。併せて、脳の特徴に応じた相手の強みを引き出すコミュニケーションも可能となります。
例えば、同じことを説明する場合においても、右脳タイプの場合は抽象的な言葉を使用しても問題ないのですが、左脳タイプの場合は腑に落ちないことが多く、左脳タイプに説明をする場合は、先に結論をはっきり伝えてから説明に入ったほうが効果が高いです。このように、脳スタイルの違いによって、相手に響く会話の仕法や関わり方が変わってくること、それを理解することで相手との関係が円滑になり、相互理解を高めることが可能であるといった話に、受講者は真剣な表情で聞き入っていました。
最後に本田氏から、個性・特 徴は右脳・左脳、2次元・3次元で見ることが可能であること、重要なのは脳スタイルの診断結果ではなく、それを把握した上で得意脳を上手く活用できているかということ、そして各個人によって脳スタイルは異なり、その違いを理解することで自分・相手の強みを引き出すことが可能になることが、本日の講座の総括としてまとめられました。
講座の受講者からは、これまで学んできた脳科学とは違った視点で脳のことを学べて興味深かった、本田氏の説明が丁寧でわかりやすかった、本田氏が行うセミナーにぜひ参加してみたい、などの声が聞かれ、本講座の内容に対する受講者の関心と満足度の高さを伺い知ることができました。