チーム脳をつくるリーダーになるために
清宮 普美代 (著)
指示・命令型リーダーの時代は終わった!メンバーの潜在能力を最大限引き出し、ブレークスルーを生む「チーム脳」!小さな仕事からビックプロジェクトまで、次々と成功を導くニュータイプ・メソッド。
チーム脳を生み出すかどうかは、「リーダー」の資質と「問いかけ」の質がに左右されると説明しました。ここでは、リーダーとして必要な行動とマインドについてみていきます。
目次
1. 意見型リーダーと質問型リーダー
リーダーを「意見型」と「質問型」の2タイプに分けて見てみます。
両タイプの行動パターンは以下のように整理できます。
意見型リーダー | 質問型リーダー | |
働きかけ | やっていはいけないことを言って行動をコントロールしようとする | 思考を広げることや、多様に考えることを促進しようとする |
行動 | 自分が最初に行動する | 自分ではなく、 チームが最初の行動をとる |
指導法 | 指示・命令 | 支援・助言 |
関係性 | ボスマネジメント | 対等なパートナーシップ |
情報への対応 | 情報と知識の集中・独占 | 情報と知識の共有 |
変革 | 上からの管理的変化を試みる | 協働的変革を導き計画する |
現実的には、1人のリーダーの中に、意見型リーダーも質問型リーダーも混在しています。意見型リーダーが組織として必要な時もあります。しかし、意見型リーダーのみでは、メンバー1人ひとりが考え行動する組織を作ることは不可能です。
「質問型リーダー」としてのリーダシップ発揮がこれからの時代には不可欠です。
2. 質問型リーダーのマインドセット
質問型リーダーになるための意識、マインドセットについてみていきましょう。他者への意識をいかに整えるか、がカギです。
ゼロベース思考
自分が「前提条件」「思い込み」を持っていること(フレームワーク)を認識する
フレームワークをいたんゼロ
にしてみる
オープンマインド
自分に関して素直である
メンバーを信頼して自分を開示する(自己開示は同等の自己開示を相手に起こす)
他者受容
メンバーを「判断」するのではなく「共感」を持つ
自分の価値観を横において、相手の意見を受け入れる
3. 質問型リーダーが行動レベルですべきこと
マインドセットの次は、求められる行動パターンについて見てみましょう。3つの行動様式が求められます。
①質問
質問型のコミュニケーションは
相手の思考を広げる
「ゼロベース思考」、「オープンマインド」が整えたうえで質問を行う
②傾聴
相手の話をいったん自分の中に受け入れた上で、既成概念なしに考えてみる
③俯瞰化
自分の考えていることを、思考プロセスを「少し離れて」見てみる
自分の思考に対して“問う”習慣「自分はなぜそう考えているのか?」を問う