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日本アクションラーニング協会情報

【導入事例】オンラインで社外リソースを活用した、社内風土改革と組織開発

コロナが加速させた分かりやすい社会的変化といえば、「オンライン化」ではないでしょうか。営業、ミーティング、セミナー、飲み会などあらゆるものが「オンライン」を通じて行われるようになりました。

対面で行われていた「アクションラーニング講座」も、オンライン受講がデフォルト化し、組織へのアクションラーニング(以下、AL)導入においても、「オンライン」であるゆえに可能となった取組みを試行できるようになりました。

具体的には、企業現場へのサポートALコーチや学生ALコーチの派遣が容易になり、現場展開の精度向上や現場のモメンタム促進にも繋がる、といった点があります。

また、ALセッションを現場で行う際の最初のハードルともいえる時間的制約(チームメンバーが一定時間を確保し、集合する)を低減させることもできました。

今回、このようなオンラインだからこそ可能となった、企業内でのセッションサポートへのプロALコーチ、学生ALコーチ投入を実際に行い、組織開発プログラムとして現在も取組を進めているご担当者の方をお招きし、事例発表が行われました。

この企業では、2020年よりオンラインを活用し、社内外のリソースをハイブリッドに組み合わせながら、ALを活用した人材育成・組織開発に取り組んでいます。

コロナがもたらしたオンライン化の波を味方につけ、いわゆる「越境学習」をしながらいかに個人の能力開発と組織風土変革を行っているのか。

現在進行形で走っているプログラムについて、お話して頂きました。

<導入企業の情報>

国内大手メーカー

社員数:約650名

事業内容:建設機械の開発・製造・販売

AL導入目的:オンラインで社外リソースを活用した、社内風土改革と組織開発

社内でのAL活用事例

わたしがALと出会ったそもそものきっかけですが、自分自身、「問いかけ」というものに興味を持っていた、というのがあります。

なので、「アクションラーニング入門」もAL講座を受ける前から読んでいました。質問の重要性に気づいてはいたものの、現実的にどうやって実践していけばいいのか分からなかった、という感じです。

そんな中、2020年4月にいよいよコロナが本格化する中、AL講座がオンラインで受講できることを知り、講座に参加する機会を得ました。

現状、基礎講座には自分含めて7名の社員、ALコーチ養成講座には自分含め2名が参加し、もう1名も資格を取る予定です。

通常、何か問題や課題が発生したとき、いわゆる火消し的な「処置」を行うか、コミュニケーションを変える、部下を指導するといった「対処」をするに留まると思います。

一方ALのアプローチは、固定観念や思い込みを浮上させていくものだと思っており、いわゆる組織の「適応的課題」を扱うものなのだと感じています。

続いて、実際のALの活用事例を簡単にご紹介させていただきます。

以前から私は「ミーティング」に問題意識をもっており、その施策として行っている「ミーティングアップグレード」という取組でALを使いました。

会議の主催者や参加する頻度の高い、部長・課長を参加メンバーに質問会議を行いました。

会議が増加している中で起きている「いまいちなこと」を具体的に出してもらい、質問会議を使って「なぜ起きているのか」「なぜ解決できないのか」という問題を深堀してもらいました。

質問会議の場では、結構本音が出たようで、ALを徐々に組織の中に浸透させていく効果があったと感じています。

AL導入の推進体制としては、社員3名をコアメンバーにアサインし、その3名と自組織(DX推進本部)の担当メンバーが甲南女子大・ラーニングデザインセンターのサポートを受けながら推進しています。

今後、さらにどのような場面でALを活用していくのかは現在検討している中ではありますが、例えばIT投資を行う際の案件検討、システム要件定義などの場で使うことを案として考えています。

学生ALコーチとのセッション

既にALコーチ講座に参加した社員が、講座外セッションで甲南女子大の学生コーチが質問者として参加する、という機会を得ました。

学生コーチが質問者として参加するセッションを行ってみた感想ですが、やはり、社会人にはない学生ならではの視点で素朴な質問を投げかけられることで、問題提示者が新たな発見をすることに繋がることが多いと感じています。

また、女子学生ならではの和やかな雰囲気が、オープンな環境づくりをサポートしてくれたと思います。

一方、話の内容や言葉の定義が理解出来ず、説明に一定の時間が必要という部分はありました。セッションの時間を予め長めに確保する、という工夫は必要かと思います。

私が考えるALのメリット

自分が感じているALの優れた点と、組織に導入する際の課題についてお話したいと思います。

まず、やはり「質問縛り」の会議なので、参加者はおのずと問題提示者の抱えている問題の「構造」に目がいきやすい、という点です。これは、業務において物事を見る際の視座拡大に繋がると思います。

そして、セッションを通じてチームメンバーが問題をともに探求するというプロセスに参加するため、おのずとチームワークが育まれる働きがあると感じています。
ALコーチは会議で話されている内容だけでなく、プロセスを見て介入します。これは総合的なファシリテーション能力に繋がると考えています。

一方、このALコーチのレベルによって質問会議の効果は左右されることもあり、それなりの時間を投下して行った後、現実的にその効果が出てくるまでにはそれなりの時間がかかるでしょう。組織が、その時間を待てずに途中で辞めてしまう、ということも出てくるかもしれません。

その中で自分なりに思うALを浸透させていく上での活用案ですが、1つ目としては、緊急度が高く重要度が高いような案件、いわゆる「火消し」の事象についても、火消しをした後に、起きた出来事を振り返る場として質問会議を短時間でやってみる、という方法です。ここで本音を語ってもらう、というところに意識をおいてやる感じです。

2つ目が、緊急度は高くないが重要な案件、です。自分自身もそうですが、このエリアに手をつけられていない、という人は結構いるのではないでしょうか。

あえて、緊急度は高くないが重要なことをテーマにセッションを行い、行動計画は具体的に出してもらう、というのがいいと思います。

以上となります。ありがとうございました。

参加者の方からは、

「現場のプログラム進行中の様子を垣間見ることができ、非常に勉強になった」、

「新しいAL活用の一端を知ることができ、刺激になった」などポジティブなご感想をいただきました。

まだプログラムは進行中ですので、引き続き、サポートさせていただけたらと思います。