2019/2/1開催 早稲田大学 学生ALコーチ認定イベントのリポート
こんにちは、日本アクションラーニング協会事務局です。
今回は、先日早稲田大学で開催されたイベントの模様をお伝えします!
この企画は大学・高校でのリーダーシップ教育やアクションラーニング(AL)・組織開発に興味がある社会人の方に集まっていただき、学生がコーチを務める質問会議を体験してもらうイベントで、企業の人事担当者の方や大学、高校の教職員の方に集まって頂きました。
また質問会議の体験会と同時に、学生のALコーチのスキルをチェックする実技試験でもあります。
学生ALコーチとは、大学において日本アクションラーニング協会の定めたプログラムによる教育を受け、認定試験でその能力を認められた学生を指します。
リーダーシップ教育科目の主担当 日向野 幹也教授
今回は以下のようなスケジュールで進行しました。
16:30スタート
16:50質問会議①
18:20質問会議②
19:00講評
1グループ6~7人に分かれてもらい、そこに学生ALコーチが1名入り会議を行います。
質問会議では、参加者の方に実際に日々の生活や仕事で抱える問題について具体的に話していただき、質問を中心に(自ら意見を言い出すのはNG!)、問題の本質はどこにあるのか、グループのメンバー全員で深堀をしていく形で進行します。
ある班で扱われたテーマは、家庭問題。
父親が息子に勉強するよう強いるべきか、すべきでないかという問題だったのですが、プライベートな問題でもあり、さらに意見を言ってはいけないというルールも相まって、皆さん序盤はなかなか苦労しているようでした。しかし家庭というのは誰もが共感しやすいテーマでもあり、徐々に、メンバーそれぞれの家族との人間関係の保ち方や親としての考え方・価値観が入った質問が飛び交い、本当の問題が明らかになっていきました。
こういった参加者が実際に抱えている問題を取り上げて、我々の提案する手法で問題を解決する中でのプロセスが重要で、参加者が一つの問題に対して、当事者意識をもって思考しやすい特徴があります。
会議は通常、決まっている議題についてメンバーで意見を出し合う形をとりますが、質問会議は、誰かひとりの抱えている問題を、全員で質問し合って原因を探っていきます。この問題の深堀(本質探し)→解決策の検討というプロセスの中で起きることを表に出す、という点がポイントになります。問題解決だけに焦点を当てるのではなく、メンバーのコミットメントの変化や、会議の流れが変わった瞬間(誰のどんな質問で?)、停滞したときの原因など、会議を一歩外から見たときの様子をコーチが観察し、必要であれば、そのプロセスをサポートする介入を行います。そうすることで、メンバーは会議の内容に集中するだけでなく、今の会議中のチームの状況にも目を向けるというメタ認知の視点を持つこともできるようになっていきます。
これが問題解決とチームビルディング、学びの醸成を同時に行えるという質問会議の最大の特徴です。
会議の終了後には振り返りの時間が必ず設けられます。
・今回の会議はうまくいったと思うか。またそれはなぜか?
・印象に残る質問はあったか
・もっと良い会議にするには何をしたらいいか
など、会議の内容ではなく、プロセスに焦点を当て、改善点を全員で振り返ります。
またコーチからメンバーに対して、それぞれの会議中のパフォーマンスに関する良かったポイントを伝え、全体にシェアします。
トータルで1時間ほどの会議ですが、参加者の方々も1回目の終了時には段々質問会議に慣れ、他の参加者とも打ち解けているようになっていました。
また学生ALコーチも、今回はALコーチスキルチェックということで緊張も見られたのですが、社会人に対して堂々とフィードバックを行い、その目には自信があふれていました。
イベント終了後のアンケートでの
参加者の声をいくつかご紹介します。
・質問の力に目覚めた。学生の進行も素晴らしい(大学職員)
・質問で組織が活性化することの一端を見ることができた(企業人事担当)
・「問う」ということを高校生までに特別に学んだわけではないのに、どうして1年でここまで質問力がつくのか驚いた(高校教員)
・自分の問題が掘り下げられ、多くの気づきが得られた。(人事コンサル)
学生ALコーチの能力の高さに関しては、参加された方の多くが驚いていました。日本アクションラーニング協会では、学生ALコーチの企業研修プログラムへの派遣も行っています。大学生を企業の研修に参加させる、ということに不安に思われる方がいらっしゃいますが、質問会議体験に参加された方は、トレーニングされた学生の会議への参加の有効性を感じられています。
学生ALコーチからは、普段少ない社会人との交流を通して、「学生はどちらかというと思ったことをすぐ質問し、行き当たりばったりになりがちだが、社会人はその先を考えた建設的な質問が多く、質問力の違いを感じることができた」と社会人と学生とのコミュニケーションにより双方が新たなことを学べたようでした。
アクションラーニング(質問会議)を経験したことがない方にとって、この手法は斬新で、最初は驚かれる方が多いのですが、学生というある種、固定概念を持たない組織外の新たな視点を交えられる点も含め、最後には深い興味を持っていただいています。
次回は6月22日に早稲田大学での質問会議体験会・学生ALコーチ認定イベントの開催が決定いたしました。
ご興味のある方は下記より、ご連絡頂ください!