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活動報告

アクションラーニングフォーラム2019@関西 レポート①-1アクションラーニングによる学校組織開発と教員の教育力向上プログラム 

アクションラーニングフォーラム2019@関西(2019/12/7)

2019年度エクセレントアワード受賞企業事例紹介

アクションラーニングによる学校組織開発と教員の教育力向上プログラム

一般財団法人滋慶教育科学研究所 増井信夫氏

 

アクションラーニング(以下、AL)優秀プログラムの表彰制度は、ALで組織を活性化した事例の中から、プログラムの目的、難易度、独自性を考慮して、その成果を審査するものです。2019度にエクセレントアワードを受賞された一般財団法人滋慶教育科学研究所は、大阪に拠点を置き、全国に75校の専門学校グループを有しています。今回の受賞にあたっては、学校組織を学習する組織として進化させる取り組みであること、そして教員の教育力向上を図ることとの両輪を回している点が高く評価されました。学校という、企業とは異なる風土でのALプログラム導入はいかにして行われているのか、その背景や具体的な方法について、2人のプレゼンターにお話をいただきました。

 

滋慶学園グループへのAL導入背景

一般財団法人滋慶教育科学研究所 増井信夫氏

 

 

滋慶学園グループでは、教育、医療、美容など様々な分野で、専門学校75校、大学院大学1校、関連会社12社を展開しています。グループ全体で教員数は1,400名、職員800名、学生35,000名ほどになります。私は一般企業から本グループに転職をしてきており、学校の組織開発のためにAL導入を試みてきました。

減り続ける学生の数と増え続ける学校、競争が激化する教育業界

そもそも、皆さんは学校になぜALが必要だと思われますか。私は2つの理由があると思います。1つ目は高等教育機関を取り巻く環境の変化です。18歳人口、つまり高等教育機関に進学する学生数はこの30年で3分の2に激減していますが、一方大学数は1.5倍に増加しています。教育業界も熾烈な競争にさらされており、組織として変化していかなければ生き残れないということです。そしてより大きな理由は、学校という組織の成り立ちや風土上、学習する組織になりにくいからです。学校は教員中心の世界のため、教えることは好きかつ得意な人が集まっていますが、相手に「問いかけていくこと」は苦手です。またマネージャー層や経営層がトップダウン型のマネジメントスタイルになりがちです。実際、私が2010年にALと出会い、PSD(アクションラーニング基礎講座)を受けて、導入しようとしたところ「我々は一般企業とは違う」「時間、場所、予算がない」と無理な理由だけが挙がりました。諦めきれず2012年にPSDを再受講した際、最終的に課題として行き当たったのが「ALに対する学内の理解者を本気で求めていない」ということでした。そこから組織内に今の協力者・理解者を得られるまでに5年かかりましたが、ようやくプログラムとして形になってきています。

補完しあう3段階で構成された育成プログラム

プログラムの構造は、コーチ養成・集合研修での導入・授業(OJT)で導入の3段階となっています。まず研究所に私を含む認定シニアコーチが2名と認定コーチが1名おり、社内コーチを180名養成してきました。その社内コーチたちが集合研修で、75校の事務局長や教育の責任者といったマネージャークラス140名、教員・学科長クラス580名、事務系社員の若手や中堅社員220名ほどに対しALセッションを行なっています。そしてOJTとして授業内でもALを導入しています。プログラム設計上のポイントは①OJTと研修(OFF-JT)の組み合わせで実施する②継続的にコーチを養成する③経営層への働きかけ(成果検証)を行なって理解を得ることです。③については、組織に人を動員する際にトップ層の理解が大事なため、セッション参加者のアンケート結果なども用いて働きかけを行なっています。アンケートでは「解決策を提示することよりも部下に考えさせることが我々の仕事だと気づいた」「質問は指示命令よりパワフルだと思った」といった意見が寄せられており、参加者全員が学習する場づくりが、少しずつではありますが行えるようになってきています。

 

 

日付 名称 参加区分
2019/12/7 アクションラーニングフォーラム2019@関西
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