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日本アクションラーニング協会情報

地域活性化! 島根県壱岐郡海士町

2016年9月2日(金)、あるご縁をいただき、島根県海士町(あまちょう)を訪問しました。

海士町は「Iターン」の町、 特に若い移住者の流入によって活性化した町として注目を集めている町です。
本土からはフェリーで3時間、島と島の間の移動も船に頼るしかなく過疎化が進んでいた離島が、都会から数多くのIターン者を集め、過疎化脱却に成功した背景にはどのような取り組みがあったのでしょうか。
日本海の島根半島沖合約60キロに浮 かぶ隠岐諸島、その島のひとつである海 士町は、人口約2400人の小さな島です。
就労先が少ないことや、教育・医療機関等の生活環境が十分に整備されていないことなどから、若者は高校卒業とともに島外へ流出、高齢化率は約40%と日本の平均(25.1%)を大きく超え、町で 唯一の県立高校も1学年30人を下回り 廃校寸前まで追い込まれるなど、過疎が進んでいました。
この状況を打破しようと動いたのが、 町長の山中道雄氏でした。「自らの身を 削らない改革は支持されない」という考 えのもと、まずは財源確保のために、町 長は50%、助役、町議、教育委員は40%、職員は16%~30%給与をカットし、2億円もの人件費を削減しました。
そしてその財源を元に、子育て支援のた めの施設を設置、最新技術の導入、島 の資源である「海・潮風・塩」を三本柱 として島をブランド化するなどして産業振 興を図るとともに雇用を創出し、積極的 にUターン者、Iターン者(移住者)を 受け入れる体制を整えていきました。
それと同時に取り組んだのが、「県立 隠岐島前高校魅力化プロジェクト」です。
廃校の危機に面した高校に、難関大学 進学を目指す「特別進学コース」や地域づくりを担うリーダーを育てる「地域創造 コース」を新設したほか、公立塾である 隠岐國学習センターの併設や地域外から の入学者で修学意欲の高い生徒には寮費の補助を出すなどの取り組みを行ったのです。
その結果、2008年には27名 だった入学者数が2012年には59名に 増加しました。
現在では生徒数150名 以上、島外からの留学生は選抜を行うまでの高校になっており、上智大学や立教 大学の指定校となっているほか、文科省 のSuper Grobal High Schoolに離島 で唯一、山陰でも3校の選抜高校に指定され、その助成金を使いブータンやロシアに生徒を短期留学させています。
また、隠岐國学習センターでは最先端の PBL(Problem Based Learning)を実 践するなど、「まちづくり」の原点は「ひとづくり」という考えのもと、地域・社会貢 志向と能力の高い生徒を集め、育てることで学校そして地域の活性化に繋げています。
海士町が地方創生を成功した背景には、自らの身を切った行財政改革、公共 部門と民間部門の協同による島のブランド化、持続性を確保するための人づくりがあります。
そしてこれら全てが連携した 結果、海士町は過疎化から脱却できたのです。
少子高齢化が進む中で地方が 創生していくためには、長期的に未来を 展望し、公共部門と民間部門、地域社 会の内と外とを相互作用させながら、互いに成長していく取り組みを行うことが必 要なのではないか、そのようなことを感じさせる視察となりました。