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日本アクションラーニング協会情報

年次カンファレンス2015年 教育現場における アクションラーニングの活用

教育分科会では、立教大学におけるアクションラーニング(AL)の活用について 3 人の登壇者の発表と質疑 応答が行われました。発表や質疑応答を行ったのはそれぞれ、立教大学と経営学部において AL を推進してきた 日向野教授、学内での学生アクションラーニングコーチの育成に取り組んでいる学生団体の代表である石井さん、そして全学部を対象としたグローバルリーダーシッププログラムを担当した稲垣先生の 3 名です。

アクションラーニングプログラムの概要と今後の展望(経営学部 3 年 石井氏)

経営学部では、先輩たちが新入生 と一 緒に質 問 会 議のセッションをするウェルカムキャンプという企画がありますが、そこで A L コーチ役を行う 学生たちを育成するトレーニングがアクションラーニングプログラム(A L P) です。A L P の特徴は、シニア A L コー チの日向野先生やチェン先生が監修 されたスクリプトを使っていることで す。スクリプトにはアメリカなどで主 に使われているリーダーシップ 開 発 に関 する部 分 があり、 セッションの 最初に参加者は自分が伸ばしたいと 思うリーダーシップスキルを皆と共有 し、終了後には互いにフィードバック を与えます。A L P は 101, 2 01,301 と い 3つのプログラムで構成されていま す。101 は学生 A L コーチとしてのト レーニングであり、2 01、301 をクリアーするとそうした学生 A L コーチの トレーニングをすることができるよう になります。  昨年から今年にかけて ALP をやっ てきて、だんだん満足度も高くなって きました。2 016 年のウェルカムキャ ンプでも「質問会議」を実施すること が 決まっています。今後は、学内だけでなく学外の方ともセッションを行 える機会が増えていけばよいと思います。

全学部カリキュラム GLP(稲垣先生)

グローバルリーダーシッププログラム (GLP)は、経営学部における BLP の 高い評価を受けて、全学で同様のプロ グラムができないかと始まったもので す。AL を使っているのは主にプロジェ クトベースの学習形式をとる授業で、そこで実際にリーダーシップを発揮する 体験をして、互いにフィードバックをして気づきを得ることが目的です。そこ で使われているのがアクションラーニン グで、学生たちは授業外でグループワー クを、授業内で「質問会議」などを行っています。 実際にリーダーシップを発揮する方 法として「質問」を推奨しています。授 業では課題に対して真剣に取り組むことで、さまざまな軋轢や困難に直面し ます。たとえばプロジェクトの中間では、 それまでのうまくいかない体験の振り 返りや相互フィードバックを通して、学生たちが自分たちのこれまでの行動を 振り返る機会を提供します。そして、そこから後半でどうやって行動を変えて いくかを真剣に考えてもらうのです。 リーダーシップというとカリスマ型の イメージが強いと思いますが、GLP で は、カリスマ型のリーダーシップになじみにくい人であっても、質問を使うこと で他者をリードできると教えています。

人事部主導による職員研修(稲垣先生)

教 育 現 場というと先 生と生 徒と考えがちですが、職員のようなバック アップしている人たちも大事な仲間です。研修で A L のよさを感じてくれた人事部の原さんが、主体的に研修プ ログラムを進めてくれています。この研修では、まずリーダーシップとはどこかの部署のリーダーだけのものか、 という問いを投げかけることからス タート。そして、リーダーシップの三要素や質問とリーダーシップの関係などを講義で伝え、実際にALのセッションを行います。そうやってALを 体験することで、質問のメリットにつ いて参加者から様々な気づきが生まれました。 たとえば、一人の人が全員を引っ張るより、質問を通して全員がそれぞれ関わりあいながら動くようになると、より高みに行けるのではという気づきもありました。教員や学生 だけでなく、職員にもこうして A L の インパクトが伝わっているのは、まさ に質問を通して人を動かすというリー ダーシップが発揮されているからだと 思います。