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質問の仕方で問題解決が変わる

この記事は、書籍:「質問力」のつくり方をもとに記事を再構築した切り抜き記事です。

清宮 普美代 (著)

現在のビジネスシーンでは、昨日までの正解が明日には不正解になります。
このように「正解」がどんどん変化している時代では、たくさんの正解を知っているよりも、「考える力」をもっていることが重要です。
その力のスイッチを押すのが「質問」です。そして、効果的な質問をつくれるかどうか、つまり「質問力があるかどうか」が、これからのビジネスパーソンには求められているのです。

前回の記事では、問題解決においても質問が有効的であるというお話をしました。では、どのような質問の仕方があるのでしょうか。

質問が意見を押し付けているかも?

問題解決と一言で言っても単にトラブルを解消するだけではありません。これまでにもお伝えしている通り、問題の本質をとらえ、根本的な問題を解決する必要があります。その最初のステップに必要なことが情報収集です。
情報収集のために質問をして聞き出すことは想像できますが、その質問の仕方で意見の押し付けをしてしまっているかもしれません。
たとえば、仕事で何か問題を抱えているときに「○○の件はもう手は打ったのか?」「○○はもう済んだのか?」と言われたらなんと答えるでしょう。基本的には「はい」か「いいえ」の返答になりますよね。
しかし、これは、質問しているようで「○○をやりなさい」と言われている気分にもなるのではないでしょうか。
このように、答えが限定されてしまう質問の仕方を「クローズ質問」と言います。
逆に、相手が自由に答えられる質問の仕方のことを「オープン質問」と言います。「なぜ」「どのように」といった言葉から始まる質問をすることで答えの内容を相手にゆだねられ、自分が想像していなかった情報を引き出すことができます。
もちろん、クローズ質問をすることがいけないわけではなく、場合によっては活用もできます。ですが、「どうすればプロジェクトが順調に進むだろうか」のようなオープン質問をすれば、質問者も当事者としての一体感をだすことができるため「一緒に問題を考えよう」というメッセージを送ることにもなり好印象を与えます。

時間軸を変えてみる

また、普段何気なくしている質問ですが、実は色々な視点があります。質問の仕方によっては相手へも自分にも新しい発想を生むことができます。
1つめは、時間軸をずらすことです。
「過去においても同じことはありましたか」や「この状態が続くと将来はどうなりますか」などの質問があることで、過去や未来のことを考えるきっかけとなり、そこから「なぜだろう?」とリフレクションが起きやすくなります。過去や未来の視点で問題をとらえなおしてみると、新しい解決策も見えてくるかもしれません。

他人軸をとりいれる

2つ目は、立場を変えての質問です。自分軸で考えていると独りよがりになってしまいがちですよね。
しかし、「お客様は何を求めているのか、上司、部下、競合は何を考えているのか」といった、“他人軸”をとりいれることで、視野も広がり新たな解決策をみつけやすくなります。これは、相手への質問でも活用できますが、自分自身に問うことでも活用できます。

感情を探る

3つめは、感情への問いかけです。ビジネスの場においては「どんなことがおきたのか」「どんなデータがあるか」など事実に焦点を当てた質問をすることが多いと思います。
しかし、人やビジョンに焦点を当てた質問をすることで感情を探ることもできます。
たとえば「この商品を売っていて楽しい?」といった質問をして、「いいえ」と返ってきたら、「どうすれば楽しくなるだろう」と問えば前向きなアイデアが出てくるかもしれません。

本来の目的を確認する

4つめは「そもそも質問」です。「そもそも」を問うことで本来の目的を再確認しやすくなります。
たとえば、プロジェクトで意見が2つに分かれたとします。そんなときに「そもそもなぜこのプロジェクトを始めたのだろう」と問えば、正反対の意見がでていても、共通点を見つけ出せる可能性があります。そうなれば、プロジェクト自体の見直しができ、問題解決へ進むことが出来ます。

行動に繋がる質問

ここまで問題解決における有効的な質問の方法をあげてきましたが、解決策や新たな発想が見つかれば、そこからの“行動”も重要となってきます。
決定事項などがあるのにもかかわらず、いつ、何をするかが曖昧なまま話がおわってしまった経験はないでしょうか?それを防ぐためには、「測定可能な行動」まで落とし込んでみましょう。
たとえば、あなたが企画書を書くことになったとき、「いつまでに提出すればいいですか」「だれに?」「どんな体裁で?」などの確認をして具体的な行動を決めておけば安心です。それがあれば、どこまで出来ているか、基準を満たしているかを測定しやすくなります。
これは、商談などにおいても「少し検討します」など曖昧な返事をされ、ずるずる時間だけが経過してしまうといった事態を防ぐこともできるのでとても重要な質問となります。

「バカげた質問」がアイデアを生む

しかし、質問すること自体が苦手と思う方もいると思います。
「こんな些細な質問で話の流れを止めてはいけない」「急に質問をして生意気なやつだと思われたくない」「こんなことを聞いたら笑われるのではないか」など思ったことはありませんか?
たしかに、これらを考えると質問をするというのはとても勇気のいることです。しかし、相手の“当たり前”を覆すような質問をすることで、画期的なアイデアや解決策がうまれることもあります。
たとえば「ラー油はご飯にかけたらダメなの?」といった“バカげた質問”があったことで「食べるラー油」のようなヒット商品も生まれているのです。
ぜひ、怖がらずに今回ご紹介した質問の仕方を活用して問題解決にも役立ててほしいです。

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